ジェイソン・ボーンシリーズ三部作は、スパイアクションを斬新かつスタイリッシュに変化させた大ヒットシリーズ。今回ジェイソン・ボーン役のマット・デイモンが降板し、主演に『アベンジャーズ』、『ハート・ロッカー』のジェレミー・レナーを起用。新たなシリーズが幕を開けた。
『ボーン・レガシー』も、今までのボーンシリーズと同じように、とにかくアクションの量が半端ない。ストーリーを語るまもなくアクションシークエンスが次々と襲い掛かる。ボーン・レガシーの上映時間は135分。その大部分がアクションシーンといってもいいぐらい。だから、あっという間に終わる感触だ。
アクションシーンが多いからこそ、それ以外のシーンの役割も大切になる。数少ない静の部分をしっかりを引き締めるため、優れた俳優たちが必要でもある。今回はアカデミー賞ノミネート俳優は、ジェレミー・レナーだけでなく、敵役にエドワード・ノートン、さらに相手役にアカデミー賞女優のレイチェル・ワイズまで持ってきているという周到さだ。
アーロン・クロスを演じるジェレミー・レナーと、マルタ・シェアリング博士を演じるレイチェル・ワイズの相性は今ひとつの感があるが、シリーズが続くうちにしっくりくるだろう。エドワード・ノートンの事務的冷酷さが滲む演技は、ファンなら大喜びに違いない。
ラストシーンは賛否両論あるはずだ。前三部作の出来事と同時進行で起きているという設定にも驚かされる。クールな存在感で酔わせるジェイソン・ボーンことマット・デイモンを、また見たくなってしまうのは欲張りすぎだろうか。
ボーン・レガシー
全国大ヒット上映中!
公式サイト http://bourne-legacy.jp/